私は昔はiPod信者だったのです。
第2世代無印iPodが初めてのiPodでした。
当時としては洗練されたフォルムと画期的なホイール操作、そしてMP3ファイルをそのままの形式で入れられるというところにフリーダムを感じたのです。
その頃のウォークマンはATRACT形式に勝手に変換されてしまっていた記憶があります。
聴ければなんでもいいじゃんと思うかも知れませんが、その昔はHDDの容量なんて少なかったので、全てのMP3をiPodに入れて、PCで再生する時はiPodを外部ストレージとして認識させて読み込んでいたのです。
ATRACT形式だとそれが出来なかった。今もできるかは知らぬ。
しかし惜しいことに、MP3ファイルはただコピーすればiPodで聴けるというものではなく、コピーした後に、専用のデータベースファイルを書き換える必要がありました。
これは今も同じで、この作業をiTunesが行っているわけです。
当時はWindows版iTunesが無くて代わりのソフトがついてきたのですが糞すぎたので、同じ事を行うソフトを自分で作ったりもしてました。ネットで公開してみたらけっこう大勢の方に使ってもらえて未だに過去の栄光です。
んでまあ、時は流れ、iPodのデータベースファイルが容易に書き換えできない仕様になった事、書き換えるためにリバースエンジニアリングするのをAppleが公式に禁止した事により、私のiPodライフは幕を閉じたのです。
最後に買ったiPodは、iPod nanoの第4世代のやつです。結局通算で5台か6台くらいはiPod買ったんじゃないかな。
そして私のウォークマンライフが始まりました。
私が目をつけた時、既にウォークマンのAシリーズはマニアも大喜びの仕様となっており、すなわち、外部ストーレジと認識させ、MP3ファイルをMUSICフォルダに放り込むだけで勝手に認識してくれる、まさに私が最初に思い描いた世界でした。
おまけに、ノイズキャンセリング、ダイナミックノーマライザ、おまかせチャンネル、といった魅力的な機能もついてきたわけです。
なんといっても、音質が桁違いに良かった。
というわけで、ウォークマンのAシリーズを次々と買っていったのですが、なんと2年前くらいに、A860シリーズを最後にぷっつり途絶えてしまいました。
主流となりはじめたAndroid搭載ウォークマンに取って代わられてしまったのです。
でもまあ、A860でも別に困らないのでそのまま使っていましたが、実は1つだけ不満があったのです。
さっきMP3はつっこむだけで勝手に認識すると書きましたが、プレイリストはXアプリ(今はMedia Go)という専用のソフトを使って転送しないと対応していなかったのです。
悪いソフトではないと思うというかほぼ使ったことがないのですが、上で書いたiPod用の自作ソフトをウォークマン対応にして使っていて、その多機能さからそこから離れられない体になってしまっているので、わざわざ他の専用ソフトを入れたくなかったので、プレイリストを諦めていたのです。
ウォークマン本体にブックマークという機能があるので、これをプレイリスト代わりにしていたのですが、やはりもどかしい。PCで編集したい。
そんな事を思っていたら、なんと11月8日に、Aシリーズが復活しました!
NW-A10シリーズです。
ハイレゾ対応というのがウリみたいで、CD媒体の曲にしか縁の無い私には関係無いやって思ってたのです。
そしたら、なんかm3uファイル、つまりPC用のプレイリストファイルに対応しているというじゃないですか!
私の誕生日に発売というのにも運命を感じました。
前置きが長くなりましたが、こんな次第でNW-A16を購入したのでレポートです。
ちなみにブルーです。
まず、前のA860シリーズから大きく変わった点は、タッチ対応がなくなった事、ハイレゾ対応になった事、この2点です。
サイズは少し大きくなりましたが、許容範囲です。
画面は解像度が狭くなりました。
写真とか動画にも活用してる人にはがっかりかもしれません、私はそうではないのでどうでもいいです。
非タッチについて。
これは賛否両論だと思います。A860のタッチ操作はけっこう快適だったのですが、逆に使いづらいという人もかなりいました。
個人的には、曲の一覧をスクロールするのに、またボタン連打をしなくてはいけないのがちょっと面倒になりました。
でもまあ、普段はおまかせチャンネルをかけてるだけなので、直に慣れるでしょう。
ハイレゾ対応について。
まず最初に言いますが、私の場合、ほとんど恩恵は受けていません。
なんと言っても、ハイレゾ音源を持っていないし当分購入する気にもならない、これに尽きます。
最初から入っているハイレゾのサンプル曲がありましたが、後述するハイレゾ対応イヤホンでダウンサンプリングをON/OFFして聞き比べても、私にはほとんど違いが分からない。
まあ、モスキート音なんてもう聞こえない年ですからね、当然といえば当然かもしれない。
CD音源(非可逆圧縮形式含む)曲の再生について。
CD音源をハイレゾ相当に引き上げるDSEE HXという機能もあります。
最初ONにしたとき、音が小さくなっただけじゃない? と思いました。ハイレゾ対応イヤホンも買って失敗したと思いました。
そこで音量をアップすると、あら、なんか今まで聞こえていなかった音が聞こえてる・・・かも? といった程度です。
そしてOFFにして音量を元に戻すと、んー、なんか音がこもってるなあ、といった感想。
まあそこそこは効果があるようです。
公式には、MP3とかだと320kBPSくらいの高レートのファイルではないと効果が無いとされてますが、むしろ低レートのファイルの方が音の変化が大きいような気がします。
付属のイヤホンはハイレゾ非対応ですが、それでも心なしか音がリッチになる気がします。はい、気がする程度です。
でも原理的には再生周波数だけではなく量子化幅も拡張されてるので、少しは音がなめらかになっているはずです。
DSEEをONにしてると、ダイナミックノーマライザ、ClearAudio+及び各種効果が全く使えないので、悩みどころです。特にドンシャリが好きな人は悩むでしょう。
音質について。
これは圧縮したCD音源でも明らかに違いが分かります。
A860シリーズより、より音の広がりが豊かになった感じです。
ハイレゾ対応のために良い部品を使ってるみたいなので、それが良い方向に働いているのかも知れません。
ちなみに、当然といえば当然ですが、VAIO Pro13で同じ曲を再生するより音質は高いです。
VAIO Pro13もモバイルノートとしては音は良い方だとは思いますが。
イヤホンについて。
せっかくハイレゾ対応のウォークマンを買うという事で、若干ハイになっていた事もあり、ハイレゾ対応イヤホンも勢いで買ってしまいました。
XBA-A2です。
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ウォークマンは電車の中とかで使うので、音漏れ防止重視でカナル型イヤホンしか選択肢が無いのですが、その中からハイレゾ対応のものを探してみると、XBA-A2とXBA-A3というラインナップがある事が分かりました。
A3の方が高くて高級らしいんだけど、ネットの評判を見ていると、あくまで味付けが違うだけで、A2の方が安いから音がプアーだというわけでもないみたいなので、まあ安いA2の方にしてみた次第です。
さっそく付属のイヤホンと比べてみると、これは確かに音がより良い、さらに広がりが出る感じです。
試しに3DSでも使ってみましたが、今まで3DSで使っていた実売4千円くらいのソニー製イヤホンと比べても、明らかに違いが分かる音の良さです。
でも3DSで違いが分かるって事は、つまりハイレゾ対応云々より、単に値段が高いぶん品質も高いというだけの事なのでは?
というわけで、実験してみました。
下のサイトで、各周波数のwavファイルを配布していたので、ウォークマンに転送して付属イヤホンと聞き比べてみました。
音量は12。
http://www.op316.com/tubes/tips/wav2.htm
結果。
付属イヤホンは10kHzまでしか聞こえず。
最初、まあ私の糞耳なんてこんなもんだよねって思って、XBA-A2に変えて15kHzを再生した瞬間、おおおおおおおクリアに聴こえる、聴こえるぞ!!!!
18kHz、全然いけるいける!!
20kHz, 21kHzはかろうじて。ほんとかろうじて。多分私の耳の限界なのでしょう。というか一般的に言われている人間の限界。
音量を最大にして同じ事したら、付属イヤホンでもノイズに混じってかろうじて15kHzくらいまで聞こえる気がするけど、まあこんな音量じゃ普通は聞かないし。
ちなみに同じ事をVAIO Pro13でやったら、音量半分で15kHzまで、音量最大でも18kHz以上はノイズがひどくて判別不可、やはりウォークマンの方が再生能力が高い。
とにかく結論。XBA-A2は確かに対応再生周波数はより高いです。
じゃあ、NW-A10を買う人はXBA-A2も買うべきか?
私はそこまでは言えません。なにしろ2万円以上するイヤホンです。
付属のイヤホンだって、音質的には世間一般ではそこそこな部類のものと思いますし、街の雑踏で音楽を聴くのなら、これで十分かもしれません。
聞き比べてやっと違いが分かる程度の音質向上より、ノイズキャンセリング機能を重宝する事だってあります。
家でじっくり聴き込みたい人は、イヤホンなんかよりヘッドホンを買うべきです。
つまり、私のように勢いでポチらないように。ちゃんとお店で自分の耳がハイレゾ対応か確認しましょう。
あとはまあ、ELECOMから安いハイレゾイヤホンが出てるみたいなので、そちらを検討するのも良いでしょう。
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プレイリストについて。
いまいちネットにはまとまった情報が無いのですが、音楽ファイルの相対ファイルパスを書いたm3uファイルを\MUSICフォルダにつっこめば、勝手にプレイリストとして認識されます。
\MUSICフォルダにHoge\Hogeというフォルダがあって、その中にファイルがあるとするなら、
Hoge\Hoge\01_Hoge.mp3 Hoge\Hoge\02_ほげ.mp3
のようなテキストファイルの拡張子を.m3uにして\MUSICフォルダに作ればOKです。
改行はCRLFで使えてます。LFだけでOKかは未確認です。
日本語を含む場合は、文字コード形式はとりあえずSJISで認識してくれています。
他の文字コードを自動解析して対応してくれるかどうかは知りませんが、グローバルモデルでしょうし、UTF-8あたりならいけるかもしれません。これも未確認。
なお、拡張子を含まないファイル名がプレイリスト名になります。
ここからはアクセサリです。
液晶保護シート。
私はもう昔からレイアウト社のものを愛用しています。
NW-A10用はRT-SA10F/A2というやつです。
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純正品は液晶表示部分しかカバーしてくれませんが、これはプラスチック面全てを覆ってくれるので、より広範囲を守れます。
今流行の中のゴミが目立たないとかそういうウリのシリーズではないですが、面積は小さいので貼るのも難しくないし、これで十分でしょう。
2枚入ってますが、私はレイアウト社の保護シートでこれまで2枚目を使った経験がありません、丈夫です。
本体ケース。
私はいつも本体の色が透けて見えるタイプのものを選んでいます。
ボタンも覆えるシリコンタイプのものがオススメです。
私はこれもレイアウト社製のRT-SA10C1/Wというのにしました。
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ちゃんとフィットして、端子類もふさがらず、ボタンも覆われて、それでいて操作感は失わず、とても良いです。
ここまでのアクセサリ類をつけた写真がこちら。上がNW-A10、下がNW-A860です。
以上です。
ハイレゾ関係に興味が無い人でも、NW-A10は間違いなくおすすめの逸品ですね。
次の機種は、DSEEをONにしたまま、ダイナミックノーマライザも使えればいいなーと思います。
んでさ、ソニーなんだからさ、ジョグダイヤルを復活させてもいいと思うんだ。とにかくスクロールするのにもはやボタン操作はつらい。
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