最近のUMPC再燃ブームにすっかり息が荒くなっておりまして、直近だとGPD WIN MAXを購入して速い! でも重い! みたいな生活を過ごしていたんです。
世間はコロナ渦ですのでそうそう出かけることはないので、小さいパソコンなんていらないじゃんって人がほとんどだと思うし、昔目を輝かせてWindows CE機を買い漁っていた姉にGPD WINを自慢してもフーンって反応なんですが、小さいPCてのは男のロマンなんですよ。
と力説してたらこれまた小さい7インチのUMPCが新しく出るっていうんで、ニュースを読んだ瞬間失神して気がついたらOneNetbook社からOneGx1 Proが届いたのでレビューです。
画面解像度
GPD WIN MAXを使っていてビミョーだった1番な事は、やはり画面解像度の小ささです。
GPD WIN2より縦に少し長くなっていますが、それでも1280×800はちょっとブラウジングするにも狭いなあと思ったんです。
OneGx1はフルHD+、つまり1920×1200です。
7インチだとさすがに等倍では文字が小さすぎるので普段は125%設定にしていますが、それでも横1536ドット相当の領域があるので、1280とは雲泥の差です。
フルスクリーン画面
OneGx1 Proは、この手のUMPCにありがちな縦方向に長い液晶パネルを横にして使っているタイプです。
OneMix3 Proではそのせいかドラクエ10をフルスクリーンで起動すると上下逆さまの刑に処されていましたが、OneGx1 Proでは今のところ問題なさそうです。
ついでに言えば、OneMix3 Proは55Hzという中途半端な液晶パネルだったのでバイオハザード4が起動しなくて枕を濡らしたもんです。
スタイラスペン
一応ゲーミングである事を前面に押し出して販売しているみたいなんですが、画面はタッチパネルになっている他、スタイラスペンにも対応しています。
ただし、純正品のみ対応です。
試しにOneMix3 Proで使っているSufaceペンの互換品を当ててみましたが、ウンともスンとも言わず。
残念。
純正ペンは単六電池というレアモンが必要になります。
このちっこい乾電池はコンビニとか百均とかで気軽に買えないのであまり好きではないんですよね。
なので充電式のSurfaceペンが使えたらなあと思いました。
OneMix2シリーズ用のペンなどは使えるという情報もあるようですが、持っていないので未確認です。
いずれにせよ単六電池がいります。姉さん単六ミコミコナース。
筆圧対応ですが、OneNoteでメモ書きしてみたところ、きちんと機能しているようです。
GIMPとかはWinTABドライバとか入れないとだめっぽいですね、試してないです。
キーボード
7インチのUMPCは初めてだったので、キー間隔狭いなあ打ちづらそうだなー、GPD WIN2よりマシくらいかなあとか不安だったのですが、いざ使ってみるとわりと平気でした。
今もこの記事をOneGx1 Proで打っていますが、配列的にはOneMix3 Proの日本語配列キーボードより打ちやすいかもです。
というのも、まずファンクションキーが独立しているので、Ctrl+OとかPとかやらなくてもいいのが楽です。
そしてマイナス記号、つまり長音が右上あたりに位置しているので、OneMix3 Proより指を変則的に動かす必要がないのです。
ただ、完璧とは言えません。
ちょっとしたコードを書く場合はつらい部分があります。
アスタリスク(*)がFnキーとシフトキーの同時押しでないと入力できないのです。
アンダーバー(_)も同様です。
この2つだけが実に惜しい!
最初はキー配列リマップツールでも使えばいいかとタカをくくっておりましたが、いざ検討してみるとつぶせるキーがメニューキー(Fn+Del)くらいしかない。
まー、このミニPCでがっつり開発とかはしないので、そのうち慣れるといいな。
コードを書く系の話で言えば、OneMix3 Proより断然良い点もあります。
Shift+Fn+左右で、きちんと行頭、行末まで一気に範囲選択できるようになりました。
OneMix3 Proでは輝度変更とか音量変更に割り当てられてしまっていてどうにもならんかったんですよ。継承されなくて良かった。
ちなみに私は手はでかい方だと思うのですが、両手で持って親指でタイピングするのはきついです。
片手で持って片手で打った方が速いです。
ポインティングデバイス
光学式の指でなぞるとカーソルが移動するタイプです。
GPD WIN MAXのタッチパッドは本当に使いやすいんだなあと改めて思い知らされます。
タップでクリック扱いになりますが、ダブルタップすると若干カーソルがずれるため、厳密なダブルクリック扱いにならないのがイマイチ。
スクロールはFnキー押しながら上下にスライドです。
専用コントローラー
左右にがっちゃんこできる、Nintendo Switchみたいなコントローラーです。
合体させた状態では、思ったよりグラグラする事はありませんでした。
ただ、GPD WIN MAXより軽いとは言え、手で持ってゲームするにはやっぱり重いかな・・・。
ボタンは柔らかめです。
ちょっと使ってみた感想は可も無く不可も無くといったところですが、まあ選択肢があるのは良いのではないでしょうか。
それぞれ別個にType-Cで充電しなきゃならないのは面倒ですけど、世の中には二股の変態ケーブルもありますので、最悪本体からの給電もできなくはないです。
こんな感じになります。
パフォーマンス
CPUはIntel Core i7-1160G7で、最新の第11世代の15Wなものです。いわゆる従来のUシリーズ相当かと思います。
GPD WIN MAXも同じ15WのCPUで、第10世代のものになります。ただゲーミング用に30Wで駆動させる設定が可能です。
このOneGx1 Proもゲーミングを名乗るからにはなのか、20Wの設定もできるようになっています。
私はあまりゲームには使わないので15Wの設定のままにしています。ある程度速いならバッテリー持ってくれた方が嬉しい。
その15W時のベンチマークがこちら。
え、ちょっと待って、なんかすごくね?
以前、OneMix3 Proで7000台近くてスゲーとか叫んだ記憶があるんですが、いきなり桁が増えた。
手元のGPD WIN MAXで計測してもいいんですが、めんどくさいのでよそ様のサイトの値を見てみて下さい。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1259311.html
12129じゃん、お前の負けだ退場! って思った方は、下のオプションをよく見て下さい。
上の結果はフルHDの結果、上のサイト様の結果はHDの結果。
それがほぼ拮抗してるんですよ。
第11世代はグラフィック性能マシマシだぜってのは聞いてたのですが、まさかここまでとは。
じゃあHDで計測したらどのくらいになるのかと思いますが、もうベンチマークソフトアンインスコしてしまったのですみません。
GPUが凄いのは分かったけど、CPUはどうかなとGeekBench5を測定してみました。
マルチコア: 4242
シングルコア: 1399
パワー全開のGPD WIN MAXの8割程度な感じでしょうか。
ただ、これだけ性能があれば普段使いには十分かと思います。
放熱
OneMix3 Proの不満は、今となってはCPUが遅いのもあるけど、とにかく膝の上で使うと熱いことでした。
単にこうしてブログ書いてるようなシーンでも低温やけど絶対するだろこれってレベル。
GPD WIN MAXではそれがなくなり快適でしたが、画面の狭さがつらかった。
さてOneGx1 Proはどうかというと、今これを書いててズボン越しでは分からないレベルにほんのり温かい程度。
ちょっと重たいビルドとかさせると左側がやや熱を持ちますが、それでも熱い! ってほどではないです。
正直、同じ筐体のOneGx1が7WのCPUを搭載したものだったので排熱には期待していなかったのですが、なんとも優秀なもんです。
筐体が金属だからまんべんなく放熱しやすいというのと、今は冬だからってのもあるかもしれませんね。
でも確実にOneMix3 Proよりは熱くはならないです。
ちなみにファンは通常と高速と低速が選べます。
ベンチマークは特にスコアを伸ばす努力をしない箱だし状態で行っているので、ファンを高速にすればTDPを20Wに設定したり、電源設定を高パフォーマンスにしたりしても放熱に余裕がありそうな気がしますね。
通信関連
Wi-Fiの入りは、木造住宅の2階にルーター置いて1階で接続しても極端に遅くなる感じはないですが、他の機器より電波の掴みは弱い気はします。
LTEについては、楽天モバイルのSIMをつっこんでみたら速度測定サイトで10Mbps程度でした。
同じSIMをXperiaに刺して計測したら15Mbpsくらいだったので、誤差範囲なのかアンテナ感度が低いのかは微妙なところですね。
なお、auのローミングエリアですので、楽天モバイル本来の電波を掴めるかは分かりません。
とりあえず挿すだけで使えたので、Windows側でAPN情報は持ってるようです。
電源
この手のガジェットで苦労するのがType-CでのPD充電なのですが、今のところうちの充電器では充電できています。
いつも私がお勧めしている謎のメーカーのやつ。
モバイルバッテリーも手持ちのRAVPowerのものが使えました。
18Wとかのスマホ用のやつではダメでしたが、45Wとか出る充電器やモバイルバッテリーならどれも大丈夫なのかもしれません。
ただ、安心を求めるなら12Vにも対応しているやつですかね。検証したいけど12V対応製品で揃えてしまっているからなあ。。。
なお、30Wの充電器では基本ダメかもです。
相性かもしれませんが、RAVPowerの超小型のやつを試してみたところ、電源OFF時は問題無く充電されますが、ON時には1秒おきに充電されたりしなくなったりを繰り返すのでちょっと怖かったです。
一回り大きくなるけど、こっちなら大丈夫そう。
なお、Thunderbolt端子は、当然ですがThunderboltドックが使えました。
うちで使っているのはこれ。
eGPUとかも試したいけど高いよね。
普通の多機能Type-Cハブも使えました。
これはハブ経由で給電できるタイプですが、問題無く給電されました。
電池持ちですが、数時間Webのフロントエンド開発を行ってみたところ、バッテリー残量50%の段階で残り3時間の表示となっています。
作業時間もそのくらいかと思いますので、オフィス用途なら概ね6時間くらいは持つんじゃないでしょうか。
本体保護関連
まず、画面保護フィルムは最初から貼ってあります。多分。
なぜに多分なのかというと、薄いシート状のものがあって、気泡が少し入っているからです。
なので剥がせるタイプだと思う。
薄っぺらい感じなので、念のため安心のPDA工房さんのを上から貼るつもりです。
背面保護シールもなんかAmazonで売ってるんですが、入荷まで3-5週間とか書いてあるのでしばらく届きそうにないと思ってたらあっさり翌日発送メールが来ました。
商品写真では分かりにくいですが、わりとカッコいいです。
注意点
SDカードスロットはありますが、刺しても認識しません。
インテルグラフィックスドライバーは最新にしないとドラクエベンチがクラッシュしまくりでした。
まとめ
- GPD WIN MAXより軽くて小さくて総合性能は良い勝負
- 日本語キーボードは思ったより実用的
- ポインティングデバイスは修行が必要
- スタイラスペン対応が地味に嬉しい
- 筐体はオフィス用途なら熱くならない
- 専用コントローラーは普通に使えるがすごく快適というわけではない
持ち歩けて小さくて軽いPCが欲しい人には、お値段はちょっと高めですが、お勧めなんじゃないでしょうか。
完全にゲーム用途なら、いずれ来るGPD WIN3とかの方がいいと思う。
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